素晴らしき日々のこと

*18禁注意
素晴らしき日々 ~不連続存在~ 特装初回版
素晴らしき日々』を本格的に進め始めました。久しぶりに時系列メモを取りながらプレイしています。おかげで普段よりも時間がかかりすぎているのですが、咀嚼しながら読み込んでいくのが楽しいので最後まで続けていきたいところ。進めるにつれて違和感が綻んでいき、段々とせかいとおはなしの構造が見えてくる感じが堪らないですね。やっぱり箱庭群像劇は良いです。
現在3章の序盤。2章で予想外にガツンとやられてしまったのでちょっと頭と感情の整理がてら書き綴ってみます。主に正規エンドと派生エンドの彼と彼女の立ち位置についての考察。キャラ語りもちょっと。要領は得ない感じ。ネタバレ(多少『終ノ空』含む)注意。


卓司と希実香の二人は、正規エンドは「救世主様と下部」、派生エンドは「少年と少女」という関係性で終わっているのではないかと思いました。
二人の関係性に絞って2つのルートを比べると、正規ルートのエロと派生ルートの屋上ダンスがそれぞれのエンドへ到達するのに特に重要なイベントだと考えられます。前者は「大人への分岐点」後者は「子供の遊び」と解釈すると、正規エンドでは大人になってしまったから少年少女にはなれず、派生エンドでは一緒に童心に返って遊んだから少年少女になることができたのではないか、と解釈しました。後半の二人の関係はずっと「救世主様と下部」と「少年と少女」の間で揺れていて、上記のイベントがその振り方を決定付けてしまったのではないのかなあと。
もし希実香が最後まで卓司を救世主と見ていたなら、生きていて欲しいと思うよりも、救世主として使命を全うして欲しいと願うはずで、ゆえに希実香は卓司に生きていて欲しいと思ってしまった時に下部から少女へ、卓司は希実香を抱きしめたいと思った時に救世主から少年になったのだと思いました。
前提である「救世主様と下部」でさえ極めて特殊な条件下でしか成立し得ないのに、更に段階を踏まなければ「少年と少女」にはなり得ない。希実香は未練を残さぬほど満足してはいけないし、卓司は最後に引き止めるくらいの強さで関心を持っていなければいけない。そしてみんなの飛降りを見届けて初めて、希実香は卓司に生きていて欲しいと思い、卓司が希実香を抱きしめたいと思うことに繋がる。そういう風に考えて、この途方もなさにすごく圧倒されてしまって、クリアしてからもずっと頭の中がぐるぐるとしています。


まだまだ先は長いですが、この章以上に感情を揺さぶられることはない気がします。希実香との関係性以上に、間宮卓司というキャラクターの在り方をえらく好きになってしまったようなので。終ノ空をやったときは特に好きでもなかった*1ので、ちょっと不思議な感じ。まあ私の好き主人公遍歴を振り返ってみると、彼に転ぶのは当たり前の結果だよなとも思いますが。
視点人物の認識の歪みに加えて、他のキャラクターの印象も不連続に変わるせいか、なにを信じたらいいのか分からない不安感で落ち着かなくなることがしばしばあり、彩名さんにの安定感には結構ほっとさせられました。終ノ空ではむしろ不安感を煽るような存在だった事を思うとやっぱり不思議な気分に。
あと希実香可愛いです。女の子の中ではこの先も一番好きなんだろうなという予感がすごくする。今までやったエロゲの中でもトップクラスにヤバイ子だと思うんだけどでも可愛い。希実香は間宮様の嫁。会話多いエロには萌えさせて頂きました。選択肢で前を選ぶと、抑えられなくなってキス求めてくるのとかツボすぎた。こういう描写を好む女性プレイヤーは多そうな気がします。
終ノ空とは1〜3章の大まかな枠組みが似ているので、プレイ済みじゃないほうがよりスリリングでよかったかなと最初は思いました。でもプレイ済みだからこそミスリードされた部分(2章中盤まで別人だと疑いもしなかった)もあったから、一概にどちらが良かったとは言い難いかもしれないなあ。

*1:終ノ空』自体、特異な現象を眺めるゲームという感想だったこともあり