海野つなみ「回転銀河」(4)

回転銀河(4) (KC KISS)

回転銀河(4) (KC KISS)

こうやって気持ちを押し殺し続けたら
いつかはこの気持ちもなくなるのかな
これまでの巻のように読後さわやかな感じになれる話が少なくて、けっこう苦しい巻でした。読むのも話しそのものも。
お気に入りな話は百花繚蘭とクエーサー
男同士の話は基本的にだめなのですが、女の子同士の話はわりと好きみたいです。沙季の凛とした真っ直ぐさがすごくかっこよかったからか、百合モノだと構えずにすんなり読めたからかもしれないですが。私自身はノーマルですが、沙季の彬子に対するスタンスには共感してしまいました。本当に好きだから、自分の感情を押し付けて今の仲を壊してしまうよりは、自分の気持ちを隠したまま見守ることを選ぶ・・・というスタンス。彬子の彼氏が自分に似てると聞いた時の彼女の複雑な表情が酷く切なかったです。
クエーサーの前の話、少年人魚はつい最近古本屋でkissの事情を買って知っていたので凄くタイムリーな感じがしました。まさかあの続きがこうなるとは・・・。少年人魚に対しての感想がガラッと変えられましたね。↑の文章はクエーサーを読んでて一番引っかかった(良い意味で)せりふです。読んでいて何となく風船をイメージしました。押し殺そうとすればするほど破裂しそうになる―という感じでしょうか。和弥に限らず先生も同じだったからこそあのラストなんでしょうかねぇ。