矢沢あい「Paradise Kiss」全5巻

Paradise kiss (1) (Feelコミックス)

Paradise kiss (1) (Feelコミックス)

単行本を友に返した&特に思いつかなかったので、今回は引用無しです。しかも微妙にネタばれ気味…。
高校時代に読んだときは特になんとも思わなかったのですが、今回読んでみたらジョージがかっこよくてびっくりしました。でもよくよく考えてみたら実力のある自信家なジョージは、私の好きなリアムと同じタイプなんですよね。かっこいいと思うわけだ。それに反して主人公の紫は最後まで好きになれませんでした。自分が進学校に通っていたこともあって、彼女の気持ちは理解できるのですが、自分の好きじゃないところを再認識させられてるみたいで受け付けなかったです。「気持ちは分かるけど、そういう態度はダメだろ!」と何度思ったことか…。彼女が好きじゃないのと、結局容姿の問題じゃんと思ったこともあり、成功していくのが自分的に面白くなかったので、最後の展開には不満でした。なんでヒロくんとくっついちゃうのかなぁ。実和子、嵐、浩行のせつない三角関係が凄く好きだったのでよけいにショックでした。一番最後のモノローグは凄く良いのに、ヒロくんとくっついたせいで良さが損なわれてしまったと思います。紫はもっと痛い目に遭ったほうがよかったなぁ。基本的に矢沢漫画は主人公に甘いからしょうがないんでしょうけど。
作中の実果子の「頑張ってる人に罰は当たらない」というセリフも、少女漫画としては正しいと思うんですけど、ヤサシイワタシ*1を読んだ身としては綺麗事だなーとつい斜めに見てしまいました。いかんいかん、つい穿った見方になってしまうのは私の悪いくせですね。
ジョージのような人の傍にいることって、最高の幸福を得られる(それこそparadiseにいられる)ことと、絶望感・虚無感etcとが隣り合わせなんだなぁと思いました。紫はそれに疲れた+ジョージ中心でなく自分で立って歩くために別れたんでしょう。簡単だけど難しい。

*1:頑張りが悪い方へ悪い方へと向かってしまう女の子が出てくるひぐちアサさんの漫画ISBN:4063142671