勝田文「Daddy Long Legs」

Daddy Long Legs (クイーンズコミックス)

Daddy Long Legs (クイーンズコミックス)

書き方を知ってるなんて
おかしいでしょう?
ブクマblog様の書評を読んで購入しました。昭和初期の日本を舞台に移したJ・ウェブスターの「あしながおじさん」。久しぶりに読み進めるのがもったいなかったです。いつまでも作品世界に浸っていたかったー。古きよき少女小説*1好きの私のツボにピンポイントでヒットし、改めて私はそういう系統のものが好きで、嗜好の根底に根ざしているのだなぁと認識させられました。可愛いらしくて、ちょっとおかしくて、少し切なくて、ほんのり甘い。少女小説の魅力たっぷりの漫画でした。和風レトロな雰囲気もすごく自然に作品に合っていて、より作品の魅力を引き立てていると思います。バックの模様や背景、洋服が可愛い。
某方のモノローグのぐるぐると悩んでる様子とか、原作にはない部分が楽しかったです。卒業式で「また 会いに行くよ」と言う時に、以前とは違って愛しい者を見る表情になっているとか、最後に渡された薔薇の花束がつぼみではなくなっているところとか、細かい演出も素敵でした。勝田さん漫画巧いなぁ。同時収録の3作も、それぞれ違った魅力があって面白かった。「パーラー」で大山君が本音をぶっちゃけるとこが好き。

*1:バーネットとかモンゴメリとかワイルダーとか