スピカ 1月号

今月はあんだろとばら色の人生のみ。ネタばれなので読みたい方だけどうぞ。
Under the Rose
この前の話も気になるところで終わってましたが、今月はそれを上回る終わり方でした。引きが絶妙すぎる。冬の物語を読んだときも思いましたが、船戸さんは漫画を描くとき漫画の利点を最大限に利用してる(利用できる)作家ですね。レイチェルを影法師のように描いてるとこや、モノローグがほとんどなく絵だけで読ませてしまうところなんかでそう感じました。ほんと今回は絵で読ませる回でした。以下、印象に残ったことをだらだら挙げてみます。
他の人の表情はほとんど描かれないのに、ウィリアムはくっきりと描かれているのがレイチェルの心情をより表してて、唸らされました。というか今回はそういうものの連続ですね。自分自身の影さえに怯えて振り返ったり、影をなくそうとありったけ明りを灯すシーンとか。挙げだしたらきりがない。実は、以前からあんだろ読むたびに「残酷な神が支配する*1が思い出されてたんですが、今回は特にはっきり思い出しました。全然話は似てないのになぜか、近いものがあるような気がするんですよね。強いてあげれば両方とも愛について描かれてたり、心理描写がとてつもなかったりするからなんでしょうか。同じように思った方がいれば是非教えてください。
最後にレイチェルが本来の姿に少し戻ったところが、彼女らしくてよかったです。でも、なんとなくあの口の利けない女中さんは自らウィルに傷つけられている気がするので、雲行きはよろしくなさそう・・・。
ばら色の人生
ヘビーなものを読んだあとだったので、ほのぼの癒されましたー。扉絵の恵と神坂は何を対決してるんでしょう。本編と関係あるようなないような絵で、すごく気になる・・・。避けられて気になるという王道展開になるのかと思いきや、「ま、平和でいいかー」の一言で片付けられてしまうあたりが高野宮子作品て感じで良いですね。相変わらずオカルトの扱いが軽いのもいい感じ。あんだろ程ではないにしろ、続きが気になるー。遊園地で好きな人とお化け屋敷は定番だけど*2、高野さんはどう料理してくれるのでしょうか。楽しみー。
次号予告
やった!来月はあんだろないけど藤田貴美の「続・ご主人様の長い一日」と紺野キタの新連載が!!これは次号も買いですねー。

*1:萩尾望都性的虐待を題材にしたサイコドラマ。同性愛描写(BLではない)ありのうえに、あんだろ以上にきつい内容なので、読む際には注意が必要です。

*2:追記:お化け屋敷じゃなくて、迷路の間違いでした。