スピカ 7月号

7月号感想です。短いですが一応しまっておきます。
アンナさんの実家は、様々な物語の中でよく描かれる貴族(良くないイメージの方)の典型といった感じがしました。噂話を好むところとか、貴族の権威にこだわっているところとか、貴族以下のものは人間じゃないようなところとか。アンナさんはそういう貴族の貴族的なところを心底嫌悪しているけれど、彼女の望むものは貴族だからこそ手に入れることができる、という逆説的なところが面白い。貴族としての義務も果たさず、貴族だからこそ与えられる特権だけを望む彼女のことを他の兄弟が面白くないと思ってもしょうがないですね。でもアンナさんにとって貴族としての特権は生まれながらにして持っているのもだから、義務の上に成り立っているものとは思えないのも無理はないかもしれないですが。
森番との関係も気になるところですね。彼が身を挺してやっていることをさも当然のように思っている一方で、彼自身のことを虫けらのように思っているわけではなく、むしろきちんと評価しているんですねー。彼のことを弁護するようなことを父に訴えたのも、単に自分が自由に森へいけなくなったら困るからということだけではないような気がしますし。