スピカ 8月号

感想は今回もあんだろのみです。いつものように続きからどうぞ。
アンナさんが縋りついていた彼女の世界は、彼女が嫌悪する貴族の営みの上であったからこそ成り立っていた。彼女自身ももちろん分かっていたことなんでしょうけれど、兄から改めて突き付けられると理解はすれども納得はできないというか。「寄生虫だ」と言われた時のアンナさんが心なしか歯を食い縛っているように見えます。ただ罵られるだけならまだしも、彼女の世界を支える基盤である貴族の営み自体が崩れてしまっていて、もう進む道を選びようもない。周りからみればそんなことという感じなのかもしれないけれど、自分の小さな世界がすべてだったアンナさんにとっては十分絶望だったんでしょう。番人に抱くよう命じたのも、何か一つ自分の世界のものと確かなつながりを作れば、それにすがることで絶望に耐えられると思ったからなのか。彼女が泣いたのは、彼に拒絶されたことで自分のものだと思っていた世界からも拒絶されたと思ったから・・・というのは考えすぎか。アンナさんが彼のことを愛していたとは思わないですが、名前の付けられない暖かな感情はあったんじゃないかと解釈してます。
「愛?あれが?」というのは伯爵のアンナさんへの思いのことのようですね。最初アンナさんの感情の話かと勘違いしてました。アンナさんが伯爵の思いを愛じゃないと言うのは、冬の物語での伯爵の豹変ぶりのようなことをそれとは別の時に知っていたからなのかなぁ。伯爵のあの様子を思い出すと、愛じゃないとアンナさんが言うのもわからないでもないです。まあ伯爵が愛しているのかとは別に、アンナさん自身自覚がないにしろ今は伯爵に対して好意を抱いているようなのはどういう成り行きでなんでしょう。あれほどまでに憎んでいた様子と腕組んで赤くなってたことがうまくつながりません。まだ何かあるのか・・・。
自分の理想とするものがあったと思った瞬間、まったく別のものに変わってしまったレイチェルさん。モノローグは今までの流れを表しているみたいだと思いました。神のしめすままの愛があるのかどうか、春の賛歌の終わりには彼女は答えを見つけられるのですかね?
考えを整理しないまま書いていったので、へんなとこがありそうです。アンナさんに偏った感想になってますねー。回想は今月で終わりのようなので、9号からはまたレイチェルさんのこといっぱい書くことになりそう。